毎年、名称を少しずつ変化させながら継続しているコンティニュアムの経験の場を提供させていただいているオンラインの探究会、グループワーク。この探究会の経緯のアーカイブをシェアさせていただきます。
2024-25
「お灸&コンティニュアム オンライン・グループ」by bibi鍼灸院&ソマティック・ピラティス
日付 | テーマ |
4/15 | 「足裏から始まる生命力」 腎経を補おう足。生命力=腎気 先天の生と後天の生とでできている腎気は、私達生命の根源。 先祖からの気と現代の気、そして未来に続く気を補います。 現代の気、生きている私達の生命力を優しく満たすのは、養生の始まりです。 腎気は足の裏から始まり、足首を纏いふくらはぎ太腿の内側を登り、胞中と呼ばれる子宮、生殖器を通り腹部を上昇し喉へと向かいます。 正中の直ぐ脇を登る腎気。 身体の中心へ、よりアプローチしやすい道のりをたどりましょう。<コンティニュアム> ・SA-HAの呼吸 ・JaZaの音 ・Mala Breath(数珠の呼吸) ・Haaaの呼吸 ・ハミング立つことを覚えた子供の頃からパターンで使っている足。普段のパターンから少し、離れてみましょう。寝た体勢で、足が重力から解放された状態で足裏と頭を普段のパターンとは違った使い方で動かしてみましょう。そして今までに経験したことのない、新しい軸に立ってみます。体が新しい経験をします。海の生物のイメージを使います。自由に、足と頭が動いてみたいように動いてみます。普段の意識的な運動では動かない組織が細やかに動いてくるのを体験できるのではないかと思います。私たちは体が欲する動きから、多くの経験を得ることができますし、多くのことを学ぶことができます。<お灸> 湧泉 |
5/13 | 「新緑の季節。手のひらに太陽をたくさん浴びていこう」 心包経手のひら。心臓の周りからスタートして、肩の内側から手のひらの労宮を通って真ん中指までの短い道のり。 気持ちの安定と、外への手探りに。 まず外の人や物に触れるのは手のひら。自分という外面をタッチし、情報の出入りをする手のひら。 色んな気持ちを教えてくれる手と感情、思考の変化に。 5月の新緑を手のひらを太陽に受け止めて。<コンティニュアム> 心臓、顔、手のひら、サイドライン。広がりや繋がりを意識しやすいように、呼吸や音、海の生物の動きなどで誘導します。<お灸> 労宮 |
6/17 | <お灸> 胃経梅雨に入るこの時期は、湿気という水分が停滞し、身体やこころが重だるく感じます。動くのが何となくかったるかったり、決断力か鈍ったり。 外気のジメジメムシムシを身体の中にまとう時期。 身体の細胞に溜まった水分は、水の性質状、身体を冷やす方向に。そんな中、水袋である胃腸は冷えて動きを鈍くしがちです。 梅雨の6月を少しでも快適に過ごすのに、お灸の力をかりて胃経を辿り、身体の湿邪を除湿していきましょう。 きっとサッパリするはずです!<コンティニュアム> 「胸骨」胸骨の動きから連動する全身の動き、特に正中線の表れである背骨の動きを探求します。背骨を随意的に動かそうとすれば硬く反応する筋肉や結合組織も、胸骨の動きに意識を持っていくことで、無理なく全身の動きの紐解きとなり得ます。胸骨の動きと体感を中心に、そこから自然発生的に波及していく部位部位のワークを織り交ぜながら、参加者と一緒に、フィードバックやシェアを基に進めていきます。 |
7/29 | 夏の陽経 『督脈 膀胱経の旅』 夏至が過ぎ、今正に、真っ盛りの陽の気。これからぐんぐんと登る太陽にひきつけられ、私たちの身体も外へ外へと動き出す時期です。 しかし現代の真夏は、異常な暑さと冷房の冷えとのアンバランス差で、自律神経の調整がかなり難しくなってきました。 7月のクラスでは、そんなオンオフの忙しい陽気にアプローチして、穏やかな流れをつくって頂けたら。 まずは、陽気を満たす経絡、督脈からスタート。 督脈は、子宮から始まり背骨を真っ直ぐに登り、首の後ろから頭の中へ、そして、頭のてっぺん百会から鼻筋をおりて唇上迄続く道。 背骨は、西洋医学でも自律神経の出入り口、東洋医学においても、正に自律神経やホルモンバランスを調整してくれる道筋です。 神経の出入口である督脈に流れをつけ、促された陽気を、今回は膀胱経へと繋げます。 膀胱経は、目頭から始まり眉毛の頭を通り、額から頭を登り、背中の脊柱起立筋を下がります。 更に臀部の坐骨神経ラインを下り最後は、足の小指へ。この経絡は、頭から足先迄の1番長ーい道のりです。 最後のゴールの足の小指は、逆子のツボとしても有名な至陰というツボ。 至陰は、陽気の終わり、次は陰の世界へと入ります。 督脈で陽気をあげて、膀胱経で陽気を下へと導く旅。 暑い夏と冷えた冷房で疲弊している自律神経の通り道を滞りなく動かしましょ。・・・ コンティニュアムでは、やよい先生からご提示いただく「督脈」「膀胱経」のラインを、コンティニュアムの音を使い、辿ります。また、膀胱経が深く脳まで通ることから、自律神経のバランスに不可欠な脳幹も、音と微細な動きで触れ、バランスさせていきたいと思っています。 |
9/9 | 三焦経暑過ぎる夏からの長〜い台風で、よく自律神経が乱れると耳にします。 季節の変わり目のこの時期、空は夏の高気圧と南からの湿った低気圧とが、バチバチと雷を鳴らしながら、喧嘩していきます。私達の身体の中の圧も、あっちにいったり、こっちに引っ張られたりと大忙し。 頭痛や耳鳴り、食いしばり、メニエールといった症状が出やすい季節です。そもそも自律神経の不調ってなんだ?9月のクラスでは、身体の中の水分調整の乱れとして捉えて進めていきます。身体を横割りに3つに分けると 上焦→肺心臓 中焦→脾胃 下焦→大腸膀胱 それぞれの働きが 上焦→口から取り込んだ気を霧のように撒く 中焦→食べた物を発酵し取り込む 下焦→いらない物を出す この3つの焦をまとめるのが三焦経絡。 3つの水分の工場をうま〜く回し、 余分な水分を溜め込まない様にしてくれる経絡です。台風の湿気、気圧の変化で、身体の陰圧がかわると、3つの工場の働きが悪くなり、水がもたつきます。 頭の頭重感、耳の水腫、胃もたれ、逆流性食道炎、むくみ、などなど。 9月は、この三焦にフォーカス。 これからくる、肺の季節の養生に😌 そしてそこからコンティニュアムに繋げ、筋膜への振動、動きへと発展していきます。 ・・・ 今回のクラスを準備するためにやよい先生に三焦経の説明を伺い、大変興味深い経絡だと感じました。全身を包み、繋ぎ、潤わせる膜を指すようでもあり、上と真ん中と下のエネルギーセンターを巡らせるエネルギーの動きのようでもあり。今月のコンティニュアムでは、一皮脱いでいきます(笑!)これまでに行ってきた全身を緩ませる音や感覚も使った上で「脱皮」と、中に現れる新たな生命の形とエネルギーの流れに注目してみたいと思います。次の季節に入っていくこの季節、新しくしていかれたらと思います。<音> Kの音 Ahhの音 |
10/7 | 10月のお灸のテーマは『気の出入り 大腸経絡篇』 秋分が過ぎ、夏の陽から冬の陰へと山のてっぺんが変化する時期になりました。 そんな秋に補いたい経絡は、肺。 肺は、五臓の1番上に蓋の様に位置します。 2000年前の人体模型図では、蓮の花として肺は、描かれています。蓮の花が朝晩と花を開いたり、閉じたりする様に、肺は呼吸によって広がったり、閉じたり。その様は、西洋医学でも、胚葉(葉の脈絡)として捉えられています。 口、鼻から外気を唯一人体の中へ取り入れ、余分な呼気を出すのも胚と呼吸器の大切な働きです。 肺は気を制す。同時にその呼吸のリズムによって内臓に津液=水分を送りこみます。 肺と表裏関係にある大腸は、肺のリズムと水分運搬、さらに悲しむという感情に左右されやすい臓腑です。 便秘になりやすい方、呼吸が浅く、水分が充分に大腸にとどけられていない。 秋の乾燥は喘息へ。 また、肺から取り入れられた気と、水分運搬は皮膚にも現れ、最近流行りの大腸フローラが皮膚症状に現れるのにも関係するかも知れません。 10月のクラスでは、大腸経絡にある手の合谷と、足の太衝。左右手足の親指と人差し指の合流点、四関穴を補い、秋から冬にかけての気の出入り、呼吸と大腸の働きを促していきます。 秋への養生と冬への準備に。 外気と内気の関所をケアしていきましょ。 ・・・ 後半コンティニュアムでは前回に引き続き「メタモルフォーゼ〜蝶の変態」のプロセスを扱います。全身すっぽり隠れるシーツがあればご用意ください。 蝶の変態のプロセスに皆で一緒に触れた翌朝、ベランダに置いてある私の下駄に孵化の途中の蝶がとまっていました。片方の羽が開かない様子で、ちぢれていました。その日帰宅すると、蝶の姿はありませんでした。数日後、いつも植物に水をあげる蛇口の窪みに、ふたたび、片方の羽がちぢれた蝶が落ちていました。体の下には2匹の蟻。短い生命はどんなものだったのだろうと、想いを馳せました。大切にしている忍冬(ジャパニーズハニーサックル)の根本に埋葬し、土に返り、ふたたび生命を得られるよう祈りました。一見辛く映るその変容や生死も、それ自体にとってはかけがえのないものだろうと、そう感じました。さまざまな変容、さまざまな生の形があることを教えてもらっているのかもしれません。 季節の変わり目、そして個人、社会、時代が大きな変化を経験していると感じるこの時期に、皆で変容のテーマを扱えることを嬉しく思います。 |
11/11 | 11月11日 10時〜12時 「お灸&コンティニュアム オンライン・グループ」お灸セクション血の道 11月のクラスは、10月に転化をし、ここらで自分、女性としての身体を満たして行こうと思います。 私達の性別は、受精した瞬間から染色体のX.Yで女性と男性に区別されました。 母体の中の胎児だった頃、私達の女性としての卵巣は1番の成熟期を迎える。なんだか面白い話です。そして私達は、母体からの誕生し、赤ちゃん時代の第一次成長期、思春期と呼ばれる第2次成長。生理が始まり、出産をされる方は出産を経て、更年期をとおり、閉経へと繋がります。さぁ、そこから私達は、第3の熟成期がはじまるのかも。東洋医学では、そんな女性の道のりを『血の道症』と示します。女性唯一の臓器である子宮はまさに血の海。その血の満ち引きを女性は身体に持っています。11月は、その血の道を満たす経穴にお灸を据えて、血の道の流れを満たしていきましょう。 女性が感じる、冷え、便秘、下痢、肩凝り、頭痛、腰痛、不眠、むくみ、目の疲れ、生理痛。もしかしたら、血の道の不調かもしれません。以前、お灸教室で血の道を整えた方が、一年振りに生理がきた方がいらっしゃいました。 寒くなってきたこの時期、しっぽり子宮への道を温めていきましょう。 女性たる所以の子宮への道。 生理痛、PMS、妊活、更年期、閉経後、ゆっくり熱を送り、補っていきます。・・・ コンティニュアムセクションでは、やよい先生の「血の道」とのコラボレーションを念頭にダイブを選ばせていただきました。今回は「Primordial Lion Cobra Dive〜原始的、根源的なライオンとコブラのダイブ」スーザンハーパーのミステリー・デプスのリトリートで紹介されたレベッカ・ラーソンのダイブを皆で体験していきたいと思います。四つ足動物のライオンと足のない蛇。前回皆さんから湧いていた「養分」こちらに応えるダイブとなればと思っています。人間としての制限を緩め、私たちの中にある野生や原始的な動きやエネルギー、生命力に触れられるのではないかと思います。体では、今回の入り口は舌と濡れた口の中、そして尾てい骨。お灸で体験する「血の道」に響くかと思います。お灸と、私たち自身の内側に湧き出ている動きや動きに対する欲求のコラボレーション。皆で体験・探求できれば幸いです。 |
12/16 | 大まかなスケジュール 9:00〜10:00 無料のオープン、コンティニュアム練習スペース 10:00〜11:00 お灸 腎経 11:00〜12:00 コンティニュアム「大地の闇に降りる」 肉体を入り口にし、あたたかな闇へと下降し、新しい巡りに向けてのギフトを持ち帰ります。冬至の祝いの儀式。 以下に詳細を記載いたしますが、概要としまして、今回は正規の開始時間10時の1時間前に会議室をお開けします。この1時間で、私がこのところ日常的に行っているプラクティスをシェアいたします(一緒にプラクティスを行う、というニュアンスが強くなります) 筋肉や筋膜のパターンを緩め、体組織の波の動きを感じ動いていく探求作業を、コンティニュアムの創始者のエミリー・コンラッドのドキュメンタリーやクラス動画をBGMに流しながら行うというものです。英語が理解できる方はもちろん知識としての情報も入りますし、何より、彼女の声、動き、プレゼンスがひとつの刺激となり、個人的には自分自身の組織が大きく反応をし、この練習方法が気に入っています。ご興味ある方はどうぞ、9時からご参加ください(どなたも参加されない場合にも、会議室は開き、私は練習を行っています。途中からでもどうぞお入りください) その後はお灸〜コンティニュアムのダイブへと続きます。 お灸 陰気を補う腎の時期 師走の急ぎ足の空気に、後ろから押される12月。気持ちは年の瀬に向かい、一年を振り返る12月。太陽の光は、やる事リストが多い気持ちとは裏腹に、1番短くなる冬至に向かいます。多分、昔の方は今とは違い、秋の稲刈りが終わり、収穫から片付け冬支度へと2ヶ月かけてじっくりと準備されていたのかなぁと。 12月に迎える冬至は、陰陽では陰のてっぺん、まさに陰の中の陰に達します。 植物や動物達は、この時期、太陽の光の当たらない土の中で、じっと自分の中の小さなともしびを温めていきます。それは、厳しい自然界のなか、自分の陽の気を無駄にしないとても大切な知恵。そんな地中で大切に温められたともしびは、冬至を過ぎると段々と次のステージ、陽の気へと向かいます。 2月、立春を迎える頃に、冬の間に熟成された陽気が、太陽の日を受けに、土の中から外へ芽吹き春がはじまります。 私達も冬至に至るこの時期、自分の気をゆっくり土の中で温める様に、腎気を補っていきます。腎気は命の門!生命のともしびと言われ、生命力の表れとされます。 12月のクラスでは、この腎気、命門の火をお灸でじっくり暖ため、補い冬を過ごす準備をしていきます。 腎気は生きる力の源、生命力。 命の火を土の中で、じっくりゆっくり温め、春になったら、パッッと芽吹く力をつけていきましょう。 腎気は妊活には大切な経絡です。 お母さんとお父さんの腎気が満たされていると、次の世代の命の門を開けてくれます。 |
1/20 | 1月20日は大寒(大寒) 一年でもっとも寒い時期になります。 今年の東北の大雪、私の住む関東でも冷え込みも強くなり、まさに大寒を味わっていますそんな日のお灸教室は『胆経』をご紹介。 今回は胆経の流れに良く現れるこの時期の症状に注目していきます。 胆経の流れは、こめかみから始まり、耳の周り(側頭筋)を巡って、目の上から頭を上昇して、首の付け根(よく首が凝る所)を通り、胸鎖乳突に進みます。次に肩から肋骨外側(前鋸筋)をくだり、腹斜筋、臀部、骨盤から太もも外側(チョウケイ靱帯)、膝の外側(前脛骨筋)足の第4指に終わります。 繋がりを辿っていくと、胆経は身体の側面を通っていくのがわかります。 この流れの特徴から、胆経は、目の疲れ、耳鳴り、首肩凝り、猫背、呼吸が浅い、腰痛、など特に筋肉に関係する症状が多いです。 大寒のこの時期、私達は身体の熱を奪われないように、自然と身体を丸め、筋肉を拘縮させがちです。特に肋骨につく筋肉は、冬の冬眠の時期、わざわざゼィハィと大きな動きはしません。ゆっくりと静かに土の中で穏やかにする呼吸です。 土の中にいない私達は、外の寒さやストレスを直かに肌で感じとり、時に防御の如く身体を硬めます。夏の様な大きな呼吸ではなく、穏やかな本来の冬の呼吸をつくり、縮こまった筋肉に流れを作っていきましょう。 胆経を巡る経筋が緩んでくるはずです。 ・・・ 後半、動きのセクションでは、慢性的な緊張を優しくゆっくりな動きで意識化し、ゆるめるソマティックワークをご紹介します。今月は骨盤の動きと、肋の動きや胸椎の動きに関係する腹斜筋や胸筋といった体幹の外側の筋肉の意識化と、動きを楽しんでいただけたらと思います。ソマティックワークで緩みが生まれたところから、前回に引き続き、コンティニュアムの創始者であるエミリーコンラッドの稽古風景をBGMに、コンティニュアムに特有の音を全身中響かせ、体が動きたいままに波のように動き、萎縮を解いていく時間を設けます。内側から常に生まれる生物としての体の動きや、動きたいという生物としての欲求に素直になる時間は、なんとも豊かなものだなと思っております。皆さんと共有できれば幸いです。 |
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2023-24
初級コンティニュアムクラス by ソマティック・ピラティス岐阜
料金 | 1回:3,300円 |
日時 | ・毎月1回開催(3月〜6月、9月〜12月) ・第3月曜日(9月と12月は以下の日程をご参照ください) ・13時半〜14時45分(1時間15分)(初級レベルの「レッド “lead”」形式) 3月20日 4月17日 5月15日 6月19日 夏至 7月(休講) 8月(休講) 9月11日(第2月曜日) 10月16日 11月20日 12月11日(第2月曜日)冬至 1月(休講) 2月(休講) |
所要時間 | 1時間15分 15分前からZOOMに入室できます。クラスが始まる前にグループの仲間にシェアしておきたいこと、講師への質問など、チェックインの時間を設けています。 |
開催形式 | ZOOM を使用したオンラインクラス(参加後6ヶ月録画視聴ができます。なお、現在のところライブ受講のみ受け付けています) |
クラス詳細
コンティニュアム未経験の方にも緩みを体験していただけるように構成した初級クラスです。
コンティニュアムは、身体の中を流れる体液の知性に触れるモダリティです。私たちの体は約70パーセントが水、地球もおおよそ同じと言われています。体の内外の水を体験し、萎縮していた身体の組織が緩むとき、本来の水の動きが姿を表します。
とはいえ、体液が流れ、水が持つ情報にアクセスし傾聴ができるようになるには、筋膜を含めた体の組織が、抑圧や萎縮などの制限からある程度解放されている必要があります。そこでソマティクピラティス岐阜がご提供する初級クラスではまず、水の動きが起こり、その動きを感じ取るために、コンティニュアム以外の簡単な動きを導入し全身の組織を緩め、続けてコンティニュアムに入っていくことで、心地よさを経験し、身体に起こる緩みや、緩みから生まれる微細な動きにスムーズに気づき、動けるよう構成しています。
ヒトの体は年齢を経るにつれて水分が減り、しなやかさが失われます。水分は神経を含む体の中を走る膨大な情報を伝達しています。コンティニュアムでは筋膜を含めた組織が緩みます。この緩みにより体液の流れが促進され、しなやかさが蘇り、全身の情報伝達が再開します。ピラティスとは大きく違い、コンティニュアムには決まった動きがありません。基本的にはゆったりと、ご自身の体がどう動きたがっているか、傾聴するところから始まります。動く瞑想と呼ばれることも多いコンティニュアムは、普段マインドフルネスや瞑想の日課がある方には入りやすいモダリティだと思います。負荷の少ない動きを行うため「何かのためになっているのか?」と不安になる声も少数ですが、耳にしますが、深層の筋肉のトレーニングであるピラティスだけではもたらすことのできないパターンの変化や緩み、潤いをもたらすことができます。そして何より、体の心地よさを体験していただけると思います。潤いのある体を、コンティニュアムで培っていただければと思います。
クラス構成
3月20日 | ・テーマ「制限に気づき、その変化を体験する」 ・レクチャー「水の共鳴」「音について」「オープンアテンションについて」 ・「プレゼンスのための6つの入口〜触る」 ・音の実践「Theta breath〜シータ呼吸」「O〜オー」「Sss~エスの音」 ・動きの実践「頭頂から会陰への筒、Wave motion〜波の動き」 ・探求 「水」というコンティニュアムの主なテーマのお話から始まり、コンティニュアムではなぜ音を使うのかについてお話ししたいと思います。実践ではゆっくりと、自分の体の内側に広がる感覚の世界の体験を始めます。水という、生命の根本、細胞レベルで記憶しているその動きを、皆で体験できたらなと思います。 |
4月17日 | ・テーマ「重力〜ここ、という場所」 ・レクチャー「骨の受容器」 ・「プレゼンスのための6つの入口〜重力」 ・「Jaza sound〜ジャザ音」「O〜オー」(復習)「Sss〜エスの音」(復習) ・動きの実践「8の字〜骨と植物の形成」「下から上へと登り上がる植物の螺旋」 ・探求 地球がそこに住むすべての生命に重力でもって「ここ」という場所を与えてくれています。それをどれだけ受け止めているかはしかし、個々によって違います。4月は、重力の魔法をどっぷりと感じたいと思います。植物は下に根を生やすから上に伸びます。この上下の力を、体の内的な情景として経験したいと思います。 |
5月15日 | ・テーマ「空間を広げる」 ・レクチャー「生物の進化の過程と受精卵の辿る過程〜スピーシー(種)インクルーシブ」 ・「プレゼンスのための6つの入口〜前、後ろ、右、左、上、下。フィールドのバランス」 ・「E〜イーの音」「Vu の音」「Sss〜エスの音」(復習) ・動きの実践「中心の横への広がり」 ・探求 コンティニュアムの創始者であるエミリイ・コンラッドは自身の教えと体験を、筋膜のシステムやエネルギーシステム、経絡などさまざまな知識と照らし合わせ、専門家との交流を通してコンティニュアムというひとつのモダリティを展開し発展させました。そして水が変容を続けるものであるのと同様に、コンティニュアムも触れる人によって形を変え続けるものであること、決して形の決まったモダリティではないことを強調していました。さて、さまざまな知識と触発し合い展開しているコンティニュアムですが、中でも影響の大きなものに胎生学があります。受精卵がどのような経緯を経て誕生に至るのかを研究する学問です。受精卵の成長の過程には、地球上の生物が単細胞から生まれ今に至るまでの歴史を見ることができます。今回のクラスでは「人間としての私」という制限を少し緩め、知覚や経験をしてみたいと思います。 |
6月19日 | ・テーマ「夏至 〜陰と陽」 ・レクチャー:6月は手のジェスチャーと、視線を通して陰と陽を体験します ・「根源(混源)の呼吸 〜Primordial Breath」、「Luna Breath(月の呼吸)」、「Mala Breath(数珠の呼吸)こちらはクラスの進行具合を見てできれば6月に、そうでなければ9月に回します」 ・動きの実践:四つ脚動物の視線と動き vs 筒の形状の原初の生物 陽の光が1年で最も強く発される夏至。陰陽の陽が一年で最も強いときです。外側に陽の表現が強いとき、内側では陰が強くなります。外へ内へ。ヒトの神経に置き換えると、陽は交感神経、陰は副交感神経にも例えることができます。その両方を行き来し、私達の中で目覚めさせ、普段のパターンとは違った状態が作り出されるとき、どのような経験が広がるのか探求したいと思います。 |
9月11日 | ・テーマ「波」、Cave Wind Breathを学ぶ <呼吸> 「Silent Puffed O〜無音の膨らんだオーの音」「Cave Wind Breath〜洞窟を通る風の呼吸」「Theta breath〜シータ呼吸(復習)」(もしくはHum~ハミング/Sss〜エスの音) <動きの実践> ・「ティシュープレップ」(組織の準備) ・張力/立体を感じる ・壁や床を利用した「Closed Kinematic Chain(閉鎖運動連鎖)」での波の動き 今月は、水が持つ根源的な動きのひとつ、波の動きを感じてみたいと思います。立体的で水分の豊富な体に、壁や床を使い波の動きを流してみます。春からしばらく行ってきたコンティニュアムのクラス。音や動き、そして体の自然な動きに耳を澄ます感覚に少し慣れてきたところで、今一度シンプルに、より深く、ご自身の水の動きに気づき、触れる経験を深めてみたいと思います。また、「Cave Wind Breath〜洞窟を通る風の呼吸」を体験してみます。風は動きの多いエレメントです。体の水分に動きをもたらしたいときに大変役にたつ呼吸と思いますので皆で行ってみましょう。 |
10月16日 | ・テーマ「顔を緩める」「手」「足」 <呼吸> 「Aaa アーの音」 <動きの実践> ・顔の動き「Aaa アーの音」 ・顔の動きから生まれる緩みと、緩みから発生する自発的な動きに身を委ねる 顔はヒトが社会で機能するために想像以上に使っている部位です。非常に社会的、文化的です。また、食べる(獲物を得る、獲物にならないように逃げる)ことに関連した多くの動き「見る」「聞く」「食べる」「話す」、つまり脳神経が担う活動を行っています。非常に精密に機能しているこの部位を、普段のパターンを緩め、自由に動かしてみるだけで、どれだけ全身が反応するか。体験してみると驚くかもしれません。 この回ではまた、足と手のワークも取り入れていきたいと思います。 |
11月20日 | ・テーマ「舌と口唇」 <呼吸> 「Puffed O」「Shu breath〜シューの呼吸」「Mala Breath〜数珠の音」 10月から引き続き、頭部のワークを行いたいと思います。11月も、コンティニュアムに入る前に簡単なエクササイズを行い、後頭部を緩めるところから入ります。 舌と口唇はヒトが生まれてから成長する過程で特に、母親から母乳をもらっている乳幼児の時期にその機能の最大限を使ったと言えるのではないかと思います。その後は、発語を含む社会活動によりこの部位はそれまでよりもパターン化していきます。筋膜のパターンは、多くの記憶を保持しています。穏やかに、アクセスしてみたいと思います。 |
12月11日 | テーマ「天と地をつなぐ6角形〜ヘキサゴン」 <呼吸> 「Mala Breath〜数珠の音」その他 神聖幾何学の六角形、ヘキサゴンをテーマに行いたいと思います。水の分子がヘキサゴンで繋がっていることはよく言われることかもしれません。神聖幾何学の視点からは六角形は、下向きの三角と上向きの三角が重なって成る「天と地を繋ぐ」という元型を持っています。また、下向きの三角形が表す女性生と、上向きの三角形が表す男性性が重なっているとも読むことができます。この図形を、私達の体の70パーセント以上を成す水分に、響かせ、描いていきたいと思います。深い冬に、ふたたび陽を迎える冬至に、水と陽の出会いを神聖幾何学で祝いましょう。 |
「宇宙、地球、そして私たちの体に流れる液体は、共振状態にあるひとつの流れであり、一体です。これをバイオ・コズミック・インテリジェンス、生命と宇宙の知力と呼びます。最上の滋養です。
私たちが液体の動きに耳を傾けるとき、宇宙は波の動きを通して私たちに語りかけます。うねり、螺旋、脈動という動きを通して私たちに語りかけるのです。
水を見ると、そこには多様な水の振付があるのが分かるでしょう。我々の体の組織の変形や萎縮が緩み、少なくなるとき、この水の多様な振付が姿を現します。」
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「液体というシステムすべてに共通する第一の特徴は、変容し続けるその力にあります」
・コンティニュアム創始者、エミリイ・コンラッド「ドキュメンタリー映像「EM MOVES」より