わたしの所を訪ねてくださる方々の目的は大まかに2種類に分類できると思っています。

①腰痛、膝の痛み、首や肩の辛さ等の不調を、ご来所時の与えられた時間枠の中である程度解決したい方。特に急性の症状をお持ちの方に当てはまります。こちらは治療寄りのセッションと捉えています。

②上記と同じ症状が慢性化している方で、ご自身でおからだの状態を理解し、適切な対処方法を学び、ご自宅に持ち帰り継続した実践のための指導を求める方。こちらは処方箋寄りのセッションです。

①の方は、免疫機能や内臓疾患等が原因でない場合に限った話ではありますが、からだの使い方の癖から骨のアライメントが重力に対して無理のある形になっていることが元々の理由な場合が多いため、急性の不調や痛み、硬直を一回のセッションで緩和した後、②の取り組みに進んでいただくことをおすすめしております。

自分自身のからだと向き合っても日々感じることですが、ある程度の癖や形は、それぞれのからだが受け持ったものであり、変えることができませんし、変える必要のないものだと思っています。バラがスミレになることはありません。それぞれがそれぞれの形や役割を受け持ちます。なるべく健康なバラ、健康なスミレとして咲くことができたらいいなと思っています。

自身の癖を理解し、どのようなときに捩れが強く出やすいのか、そのときにどのような対処方法があるのか引き出しを持っておくお手伝いができればと日々思い指導に当たらせていただいております。繋がりが弱く貧弱な筋肉を知り強化し、過度に使われ硬直している部分を把握し緩め伸ばしていく方法を知る、またはその状態を経験する。また筋肉ではなくスピードの速い神経の反応によるものなのであればどのような対処があるのか、からだからのアプローチの術を持っておく。こうしてひとつずつ日常に取り入れていき、しなやかで健康な状態にご自身のおからだを育てていただく。からだを見捨てることなく、成したいことの領域を徐々に広げていく可能性を持った器として付き合い、成長していく。そんな②の作業。

①のセッションで楽に、笑顔で、やわらかなからだの動きを取り戻し、帰っていかれる皆さんを見届けるのは嬉しいことです。他方、今はまだ完全でなく、弱さや不調が残る状態でも、よい動きの兆候を確認させていただき、それに基づき努力の方向をこちらから提示し、掴んでいただく②のセッション後の皆さんの、可能性と意志が繋がった状態を見届けることは、わたしにとっては大変嬉しいことです。

以上、「ソマティック・ピラティス」コースでも大まかに2種類あるよというお話でした🌸