
神経の再構築の過程に取り組まれる際に、理解しておくべき運動の取り入れ方があります。
私のもとを訪ねてくださる方の多くは、日々の筋トレやランニングなど、自身の運動ルーティンを大切にされています。そのため、このテーマは少しセンシティブではありますが、安全でリスクの少ない、そして建設的な進度のために、お伝えしておくことがとても大切だと感じています。
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姿勢の変化は、神経の再構築によって起こる
姿勢の変化は、単なる筋力の増減ではありません。
神経可塑性(Neuroplasticity)によって、
運動のパターンそのものが書き換えられた結果として起こります。
神経可塑性には段階があり、
初期の短期可塑性(Early LTP)は数時間〜1日で減衰しますが、
その後の長期可塑性(Late LTP)が起こるには、
およそ2週間〜3ヶ月が必要とされています。
この間、脳は新しい動きの“正解”をまだ検証中です。
負荷をかけすぎることのリスク
この再構築期に強い筋トレやランニングなどの負荷をかけてしまうと、古い神経パターンが再び優勢になります。
なぜなら、脳は「確実に成功した過去の運動回路」を“安全な選択”として呼び戻す傾向があるからです。
神経リハビリ分野ではこれを **maladaptive plasticity(不適応的可塑性)**と呼び、
学習途中で旧パターンに戻る現象として警戒されています。
再教育期の原則:静けさの中で学ぶ
SenseBodyでは、この期間にあえて**静的な再教育(Axis初期セットなど)**を行います。
呼吸、重心、感覚、抑制系――
これらを丁寧に再教育し、
新しい神経経路が十分に定着してから
筋力トレーニングや高負荷運動を段階的に再開します。
それが、SenseBody Axisが目指す「神経から整う姿勢」です。
“Stability within motion. A body that stands with gravity, not against it.”
— SenseBody: 「動きの中の安定を。重力とともに立つ身体を。」