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姿勢と、対人関係における反応の関係

私たちの体やそれに関連する動きや現象のシステムは、周りの環境や刺激に常に応答して形や動きを変えています。

今日は対人という、社会的な生き物である人間の活動の主たるところを見ていきたいと思います。

SenseBodyのプログラムである Axis〜アクシス に取り組んだ結果、姿勢が整い、筋骨格的な快適や不快が変化してきたというお声は多く聞くわけですが、こうした筋骨格の変化と、対人における神経的な反応の変化が同時に起こってくることを繋げて考える方はもしかして少ないのかもしれません。研究の便宜上、「筋骨格は整形・運動」「自律神経はストレスや心理」「対人は心理や認知」として別々に取り扱うことが多いため、無理もありません。

Axis〜アクシス にお通いの方々からもお寄せいただいている質問。今日はそんなトピックス、身体からのアプローチをするSenseBody Axis〜アクシス がさまざまな領域に影響を与えうるそんな様子を、できるだけ分かりやすく、お伝えできればと思います。

アトラクター

いきなりのカタカナ語ですみません。

アトラクターとは、もともとカオス理論の言葉です。カオス理論。話は逸れますが(早速!)中学生の頃に一時期「たくさんの宇宙が、星が存在しているように、同時に存在している」「宇宙になる前の永遠の何か、がある」と閃いたことがあり笑 そこから宇宙の理論の本を読み続けていた時期がありました。授業中もそのことばかり考え続け、欠席してまで図書館や本屋さんに通うという熱の入れようでした笑 相対性理論や量子力学の存在を知り、その後に落ち着いた先がカオス理論でした。その頃の私にはヒーローのような理論でしたね。またカオス理論に触れることができて幸せな気持ちです。

アトラクター理論を簡単に説明すると、「どこか安定したところに落ち着く性質。」

深い谷間がある地形があるとします。

そこにボールが転がっていく。

当然、ボールは傾斜を下り、谷間に落ちていきます。そして最終的に、動きが安定する。

ここの地点を、アトラクターと呼びます。

対人における反応とアトラクター

これを姿勢に置き換えてみます。少し極端な例の方が分かりやすいと思いますので、鮮やかな例を出しますね。

例えば、対人の状況に対して過覚醒の神経の傾向をパターンとする人がいるとします。

①誰かと話し始める。

②急に心拍が上がり、呼吸が上がり、汗をかき始め、視野が狭くなります。

③身体にも同時に現れます。顎関節が細かく震え出し、頚椎(首)の傾斜が反射で起こり、頭が支えられなくなります。その後すぐに骨盤の中の腸腰筋の片側がキュッとなり(収縮)、骨盤の保持が難しくなる。結果的に翌日には仙腸関節の不具合、足首の不具合も生じます。

これは極端な例ではありますが、楽しくおしゃべりしているつもりでも、何だか息が上がるな、なんだか視野が固定されるな、という経験がある方はいらっしゃるかもしれません。

こういったことは神経の反射で起こり、とっても速く現れます。

何かの刺激(この例では対人、対話)に対して反射的に何かのパターンに引っ張られる状態を特定のアトラクターに寄せられた状態します。少なくとも、SenseBodyではカオスの理論のアトラクターという名称を、神経の反射や反応、そしてパターンに当てはめてそう呼ぶこととしましょう。

ひとつのアトラクターが複数の系に「出力」する

対人・対話という刺激(入力)が、ひとつのアトラクターに引かれ発動するわけですが、ひとつのアトラクターは多数の系に同時に働きかけます。

  • 運動系:顎・頸・骨盤崩れ
  • 自律系:心拍・発汗
  • 呼吸系:浅く速くなる
  • 感覚系:視野が狭くなる
  • 情動系:不安
  • 認知系:判断狭まる

新たなアトラクターを作っていく

何かの刺激が入ると、反射的に既存のアトラクターが複数の系に同時に働きかける。

そのままでは、パターンが繰り返されるばかりで困ってしまう方もいらっしゃるでしょう。

新しいアトラクターを作ることが可能かもしれません。

新しいアトラクターを作る際、古いアトラクターは消えることはありませんが、二つを比べて、どちらが今は適切かと選択できる余裕を与えることは可能かもしれません。これが、SenseBody Axis〜アクシス で取り組む作業です。

SenseBody Axis〜アクシス では、トラウマ療法で取り入れられるタイトレーションという手法を、体の微細な動きに置き換えて取り入れます。タイトレーション(滴下)は、微量な変化を少しずつもたらしていく手法です。

たとえば、急激な変化に対しては神経系はパニックを起こしてしまい、防御し、結果的にはそれまで慣れている古いアトラクターに急激に引き戻されてしまいます。

これでは、新しいアトラクターを形成していくことは難しいですね。そこで、微細な変化を少量与え、それでも安定、安全に戻れるという経験を積み重ねる作業を行います。すると、入ってくる刺激に対して反射的に引き寄せられるアトラクターが変化していきます。これをSenseBodyでは筋骨格へのアプローチという身体的な面で、働きかけていきます。

先に述べたように、アトラクターは同時に複数の系に働きかけます。

新しいアトラクターができる前には…

一回の刺激と対応と収束で、急に新しいアトラクターが選択肢に入るというわけではありません。ここには少し、反復や時間をかけることになります。

たとえば先ほどの対人の状況での反応の例を出すとこうなります。

①取り組み前:対人では反射的に過覚醒のパターン(アトラクター)になる。

②取り組み途中(始めから数ヶ月後):新しいアトラクターが出来始め、行き来が始まる。この期間は、それまで無意識だった状態が意識化されるフェーズでもあり、例えば、以前よりも震えが大きく出たり、下痢や便秘といった消化の不安定さが一時期強くなったりといった生理的な反応が出る可能性のある時期でもあります。

③新しいアトラクターができる:古いアトラクターは消えるわけではなく、刺激の度合いにより反応や反射が出ることもある。しかし、そのシフトを明確に知覚することができるようになる場合が多く、また、反応が出ても、目の使い方、姿勢の保持の仕方の意識化など、少しの調整で新しいアトラクターにシフトができる可能性が出てきます。

このプロセスを一般的に、「レジリエンス」と言います。

古いアトラクターがなくなるわけではないのです。でも、古いアトラクターに入った時に認識ができるようになる。さらには、新しいアトラクターの溝もできているので、少しの入力の変化で(調整で)新しいアトラクターにシフトが可能になってくることが多いと思います。つまり、古いアトラクターへの滞在時間が変わり、抜け方もある程度分かっている状態。

今日は、同じ神経系のダイナミクスの中で、複数の系への出力として現れるよ、という説明をしてみました。いかがだったでしょうか。ご自身の経験や変化と照らし合わせて考えてみると、分かりやすいかもしれません。またご意見お聞かせください☆