
「骨を動かせば姿勢が整う」と考える方は少なくありません。
しかし、骨そのものには筋線維も運動神経もなく、自ら動く力を持ちません。
骨は、靭帯・腱・筋肉・筋膜といった組織に囲まれ、それらを動かす神経の働きによって「動かされる存在」です。
神経はどの筋をどれだけ収縮させ、どこを緩ませるかを常に判断しています。
その結果として骨の位置が決まり、姿勢が形づくられます。
つまり、骨の配置は神経の出力パターンの結果です。
長年の姿勢習慣や緊張状態が続くと、筋膜や腱は硬くなり、滑走性を失います。
それは身体を守るための自然な防御反応でもあるわけですが、過剰になると可動域を制限し、痛みや歪みを生みます。こうした制限を解くには、骨を無理に動かすのではなく、骨の周囲の組織を神経を介して緩めることが鍵になります。
神経が「安全に動ける」と再学習することで、筋肉と筋膜が協調し、骨は自然と正しい位置に戻っていきます。

整体やカイロプラクティックなどの徒手療法や外科的な処置は、急性期の炎症や可動域制限の改善には非常に有効であり、必要な処置です。
しかしそれだけでは神経の学習パターンまでは変わらないため、時間が経つと骨は元の位置へ戻ってしまいます。
外から動かす整合は一時的、内側から(神経から)学習する整合は持続的なのです。
SenseBodyでは、パンディキュレーションなどの神経教育の手段を通じて、
骨を直接「動かす」のではなく、骨が自ら動きたくなる環境を整えることを目的としています。
その結果、重力線に沿って自然に立ち、動きの中でも安定した軸のある身体が生まれます。
“Stability within motion. A body that stands with gravity, not against it.”
— SenseBody: 「動きの中の安定を。重力とともに立つ身体を。」